アラビカ種パカマラ亜種は、エル・サルバドルで生まれた人工交配種です。この交配には、1970年代、エル・サルバドルの国立コーヒー研究所(ISIC)に留学中のコーヒーハンター川島良彰も関わりました。
COFFEE HUNTERS STORY
パカマラについて
アラビカ種パカマラ亜種は、エル サルバドルで生まれた人工交配種です。やはりエル サルバドルで起きたブルボンからの突然変異種パーカスと、ブラジルでティピカから生まれた突然変異種マラゴジッペを交配させ、それぞれのよい所を残したのがパカマラです。その品質の高さが評判となり、現在では多くの生産国で栽培されています。
実は、このパカマラの交配には、僕も微力ながらかかわっています。1970年代、エル サルバドルに留学し、当時、コーヒーについては世界最高の学問水準にあった国立コーヒー研究所(ISIC)の遺伝課で取り組まれていた交配種の一つが、このアラビカ種パカマラ亜種でした。
新品種の開発は、異なる二つの品種を人工受粉させ、その実からとれた種を栽培していく地道な作業です。しかし、この地道な作業を25年繰り返し、やっと一つの種として根付くのです。今思い返してみても、収穫量が安定している「パーカス」と大粒で味がよい「マラゴシッペ」を交配させようという目の付けどころの良さが、当時の国立コーヒー研究所の水準をよくあらわしていると感じます。
パカマラ クラテルについて
エル サルバドルでも有名な産地アパネカのモンテカルロス農園で、パカマラ亜種に出会いました。パカマラ独特の厚く幅の広い葉が深い緑色で、それを見ただけでも十分養分を与えてもらっているのがわかります。寒暖の差が大きいこの地域でゆっくりと育った完熟豆は、重く硬い美味しいコーヒーに仕上がっていました。
僕の第2の故郷ともいえるエル サルバドルで収穫されたパカマラを、日本のコーヒーラバーズの皆様にご紹介できることを大変うれしく思います。