COFFEE HUNTERS STORY
サルバドル生まれのパーカス
エル サルバドルを代表する品種にパーカスがあります。これは、この国で生まれたブルボンから起きた突然変異種です。背が高くなるブルボンに比べ小振りで、しかし葉が大きめの高収量が特徴のコーヒーです。
グアテマラ国境に近い、サンタ アナ火山にあったサルバドール ポルティージョ氏の農園で、この突然変異種は見つかりました。
ポルティージョ氏はコーヒーの品種に精通した生産者だったので、自分のブルボンの畑の中で他の樹とは違うコーヒー樹を見極めることができたのです。そしてこの品種を固定化させ、世に出したのが、やはりサンタ アナ地方の生産者パーカス氏でした。それゆえパーカスという名がついたのです。
2012年1月にエル サルバドルを訪問した際、ブルボン エリテを作ってくれているサン ホセ農園で、元気に育っているパーカスの樹に会いました。この農園ではブルボン エリテばかりに目が行っていたことや、以前このパーカスの畑を見た時にはそれほど良い印象を受けなかったので、日本には紹介していませんでした。
しかし数年振りに見たパーカスの畑は、見違えるように逞しくなっていました。充分に栄養を与えられた葉は深い緑で肉厚、枝には密度が高い実が付いていました。
心に決めていた農園
サン ホセ農園は、2008年にグラン クリュ カフェを探していたときに訪れた農園です。管理が行き届いた良い農園で、経験豊富な農園長が案内してくれましたが、僕の求めるグラン クリュ カフェの基準には後一歩届かず、諦めて農園を後にしました。その直後、この農園から10分ほど車で走った所で、グラン クリュ カフェとなったセルバ ネグラ農園との運命的な出会いが待っていたのです。そしてまた、本当に偶然なことに、この二つの農園のオーナーは、コーヒー栽培に精通したロベルト マティス氏だったのです。
コーヒーハンターズシリーズを日本の市場に紹介する際、サン ホセ農園のコーヒーを必ず入れようと思っていました。そして先にご紹介したのがブルボン エリテです。
そして今回、この農園で大切に育てられた、エル サルバドル生まれのパーカスを、日本のコーヒーラバーズの皆さんにご紹介いたします。