夜に吹く風で樹々がざわめく魔女の森。この森で育ったティピカ亜種をナチュラルで仕上げました。その名とは裏腹なとろける甘みとフレーバーが楽しめます。しっかりとした甘みとナチュラル製法独特のフルーティな香りが織りなすハーモニー。余韻はとろけるように甘く、長く続きます。気持ちまで優しく温かくなる味わいです。
COFFEE HUNTERS STORY
魔女の森の果実
農園につけられた"ブルーハ"とは、スペイン語で"魔女"という意味です。40年前に開園したまま後を継ぐ者が現れず、いつの間にか森のなかに埋もれていた農園を、名園・コトワ農園の農園主リカルド・コイナーが発見して10年前に手に入れました。
この農園の名前には理由があります。この辺りを流れる小川が、季節により突然消えたり現れたりすることや(バル火山が爆発したときの溶岩流が地下にトンネルをつくりそこに水が流れているのでしょう。)、この地域で夜になると発生する吹き降ろしが、森の木々の間を通る際に不気味な音を立てるからです。それから地元の人が"魔女が住むところ"と呼び始め、そのまま農園名になったそうです。
僕が初めてブルーハ農園を訪れた時は驚きました。樹齢不詳のアラビカ種ティピカ亜種が、森のあちこちに生き残っていたのです。ほとんどのコーヒー樹が森にのみ込まれて枯れていった中、生命力の強い僅かな樹が徒長して5メートル以上に伸びて風に揺れていました。リカルドは、埋もれていたこの古いティピカの畑を発見し即座に残すことを決め、他のエリアの開発をしたそうです。新規開発の傍ら、この樹のまわりの雑草を丁寧に取り除き、施肥をして守ってきました。
まだわずかな収穫量ですが、底知れぬ可能性を秘めた貴重で美味しいコーヒーです。是非お楽しみください。